
Taronyasbub
35.69368, 139.69724
昼時の西新宿。 企業戦士達は束の間の休息を終え、足早にオフィスへ戻っていく。 信号が変わるたびに交差点へ人が溜まり、また散る。 西新宿の高層ビル群には数万人が勤務し、この半径数百メートルで動く経済規模は地方都市の年間予算を優に超える。 多くの人々の血肉が様々な経路で媒介され、国を回す。 コンクリートで塗り固められた地表に、雨が逃げ場を失うように、人もまたこの都市構造の中に溜まっていく。 影のように黒く滲んだ無数のシルエットが、浅い水溜まりの中でもがいている。 誰も溺れていないように見えるのは、全員が溺れているからだ。